コラム

「日本」こそがビンテージ

山間地の空家になった古民家の売買をやるようになって、かれこれ20年程になる。当初は中高年の男性、それもお一人の方が多く、数匹の犬を連れだったり、画家や陶芸家やピアニストなど、それなりにひっそりとした山間に住む事情がある方ばかりだった。ところが、ここ数年は30代位の若いカップルが増えてきて、驚くことに古い日本家屋への造詣が男女共に深い。この傾向はなかなか面白い。

欧米に追いつき追い越せで来た日本は、今や目標を失い新たな自己創造の必要がある。自己創造にはバックグラウンドを要するが、バックグラウンドとは日本の伝統文化や風習。歴女と呼ばれる若い女性を始め、最近の若い世代の日本の掘り起こしは必然だったのである。日本家屋が然り、様々な日本文化がビンテージとして平成バージョンで再生され始めている。