コラム

林業立国「オーストリア」

オーストリアというとモーツアルトやシューベルトを生んだ音楽の国、あるいはザッハトルテのチョコレートの国というイメージがある。人口1,000万人に満たないこの国、実は一人当たりGDPが日本を越える経済優良国。それは「木」を徹底利用して経済自立を国をあげて行なっているからなのである。

北海道ほどの国土で丸太生産量は日本より多い林業国のオーストリア。各家庭にはタンクローリーで供給されるベレットと呼ばれる木材チップが燃料源。この国の林業を支えているのは、高度な林業従事者の安全性。林業は高収入であるという国民のコンセンサス。林業は高度な専門知識を要求される地位の高い仕事、以上の三つ。目を見張るのは、森が生長した分だけ切るという「利子で生活する」林業哲学が徹底していて森林面積は増え続けている。つまり、常に森林資源の収支を見て切る量を計っているのである。