コラム

不動産第三活用

先日相談を受けた案件は、今の時代背景を象徴し、かつ今後を示唆する内容だった。それは、広い土地に五人の借地権者、内2人が八十代の御高齢で、お一人は単独判断が難しい状況。建物は皆古く、建て替え期を迎えている事から、現在話のある一括購入案を地主が借地権者達に提示した。三人の借地人の同意は得たが、2人の御高齢の借地人は、長く住んだこの地を動きたくない、と売却を拒んでいる。困惑した地主からの相談である。

さて、日本は六十五歳才以上が25%に達する高齢化社会目前である。お年寄りだけのお宅も相当数にのぼる。今後、家をどうするか?選択は三つ。売る、子に残す、そして残さず自分で使い切る。それは信託あるいはリバースモーゲージにより可能である。使い切る選択は決して親子断絶ではない。逆に、お互いの人生を尊重し合う事で成り立つ側面を有する。売るか残すかではない「有効に活用する」は第三の選択として今後「有効」である。