コラム

日本は単一民族?

日本は治安が良く住みやすい。人はみな親切で思いやりがある。移民受け入れ問題でゆれている欧州からすれば、日本が単一民族で維持されていることが驚きで、日本に対する神秘性を増す要因になっている。つまり、先進国であり経済大国なのにパラオやブータンのように、ほぼ同一民族で国が成り立っていること自体が不思議なのかもしれない。

そもそも大国と呼ばれる国は、国民の階層が明確で移民は下層部で労働力となり、国へ同化してゆく。ところが、日本は階層が無いので入りにくく同化しにくい。階層が無い、というのは我々日本人からすると良くても、他国からは障害にも成りえる。だが、考えてみれば縄文人も弥生人も「東の大海の彼方に蓬莱の国あり」と大陸の各地から船出した者達である。それが飛鳥時代で一段落し、以降は単一民族で現在に至っているが、我国の持つ多様性は、実はこの人種の坩堝に起因している可能性大なのである。